2011年10月29日土曜日

御所湖に行く

岩手県の御所湖というところに行って来た。出入り先の研修会で一関まで出たついでに、終了後の翌日に盛岡まで足を伸ばす。なんで十和田湖ではなくて御所湖なのか。別に大した理由は無いのだが、ここで野鳥を撮っている記録がネットにあったのと、行楽客が少なそうな方が良いというくらいの気持ち。 
朝はたいへんな濃霧で、カラスを撮った8時頃は視界数十メートル。外国の魔女が出てくる童話には、カラスに変身させられた王子たちや弟子たちが出てくるんだが、そんなことを思い出させる風景。

9時すぎに晴れてきて、湖岸でカシラダカを見つける。モヒカン風の冠羽が特徴で全体にまるまっちぃ。この鳥を見るのは八ヶ岳以来。
トビも居る。2羽が寄り添っているのが珍しいので撮る。つがいなのか兄弟なのか。たまたまなのか。ずいぶん長いこと一緒に居た。
一羽が離れてしばらくするとピーヒョロと呼び合って仲が良いからつがいなのかなぁ。

小川のほとりでホオジロを見つける。珍しい鳥では無いが、この鳥も家の近くでは見ることが無いからちょっとうれしい。このあたりから足どりがちょっと頼りなくなってきた。この時点でまだ午前中なんだが..2時間以上歩きっぱなしだ。
この1枚はだいぶトリミングしたのだが、ホオジロはススキのような植物の何かを食べている様子。小川にカワセミが居ると宿の人に聞いていたのだが、初めての場所でそうそう都合よく現れるもんでもないだろう。
湿生植物園に行くとキセキレイを見ることができた。この鳥は今年の1月に多摩川で撮っているが、こちらのは黄色部分が少ない。個体差なのか
植物園の園道を散策中にシジュウカラとヤマガラの群れに出会う。ヤマガラも交野山以来で久しぶり。
ダムまで歩いて力尽きた。1時間に1本の路線バスがちょうど来るようだから、これに乗って帰ることにする。車が無いと不便だが、徒歩でないと味わえないこともある。
御所湖散策の道すがら、頭の中を去来したのは昨日見た宮沢賢治の肖像写真。Wikiで宮沢賢治を引くとこの写真が出ている。腕を前で組んで椅子に少し横向きに座っている。この写真の賢治のまなざしが私の小学校の恩師に似ているのだ。恩師も岩手の人だった。東北人の気質を説明する時に我慢強いという形容が良く使われるが、我慢とは自分を殺すことである。創作をする者には本来似つかわしいものではない。このまなざしには自己表現と抑圧の葛藤のようなものを感じる。
恩師がこのまなざしをする時は、私は相手の真意や言葉の裏を読もうとしているのだと感じた。良く考えてから自分の言動を決めたい。そう言っているようにも見えるし、相手の言い分は受け入れるに値するのだろうかと言っているようにも見える。そんな斟酌にあることを相手に強く訴えつつ、ある種の諦観のようなものを含んだ目だと思う。
大学時代も勤め先でも、私は比較的東北出身の方とは親しくなり易く、うまが合うのだが、この恩師は苦手だった。

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