2015年2月9日月曜日
阿寒でツルとワシを撮る
道東旅行の2日目。ホテルの送迎バスでウトロから知床斜里に出て、JRで標茶に向かう。1両編成の列車の座席は概ね満席だったが、半数以上が中国からの旅行者が占めている。
囲われていない運転席の後ろに出入り口があって、軌道を走るワンマンバスのような感じ。標茶にはお願いしていたタクシーが待っていて、これに飛び乗って阿寒国際ツルセンターに向かう。
朝ウトロを出て、ツルセンターの採餌の時間に間に合うにはこの方法しかなかった。観光貸切という料金の方が安くつくことをタクシー会社の方に教えて頂いていたので、撮影が終わったら釧路まで送り届けてもらう段取り。
右は丹頂ツルの瞬膜が閉じるところ。野生動物には瞬間的に眼球を保護する瞬膜がある。連写の中に偶然残っていた。
ツルセンターの中で、おこぼれの餌をもらっている(らしい)キタキツネ。かなり太っているのがおかしい。キツネらしい特徴的な尻尾がなければ肥満気味の柴犬のようである。
餌やりの時間の少し前にはワシやカラスが周囲に待ち構えていて、採餌の開始と同時に飛び出してくる。
ツル対ワシのバトルが見られるという話もあったのだが、ツルはいつものことで慣れているらしく、この日の小競り合いは1回程度。
せまい空間をくるくると飛び回る複数のオジロワシは圧巻で、その運動性能の高さに感嘆する。
苦労して持ってきたEF600は、ここでもあまり出番が無い。動き回る被写体をEF400の手持ち撮影で必死に追いかける。
運動会を観覧しているようなものだから、自然に親しんでいる感は希薄である。
しかし飛び回る猛禽をこの距離でじっくり観察できる場所はそうそう無いだろう。
図鑑の挿絵のようにディテールのきれいに写った写真が、優秀なオートフォーカスの賜物ではあるのだが簡単に撮れてしまう。
楽しいなぁ。
地上の騒動の上空には、参加すべきか迷っているのだろうか、オオワシがゆったりと舞っていた。
ウトロで撮った流氷上のオオワシは幼い感じだったが、この日みかけた個体は成熟している感じで優雅である。
一方今日見たオジロワシはどれも若々しい。ウトロのオジロワシは老成した感じで腹部や翼下面に白い班がたくさんあった。
この日は釧路で夕飯を食べて、阿寒から羽田行きの便に乗って帰宅。【2/22記す】
2015年2月8日日曜日
ウトロでワシを撮る
札幌の仕事を終えて千歳から女満別に移動し、翌朝網走の観光砕氷船に乗る。
流氷は前日まで沖に戻っていたそうだが今朝は薄く接岸していた。乗客の大半が外国人だが、申し合わせたように新品の一眼レフや高級デジカメを持っているのがおかしい。
流氷の遠くにオジロワシを見とめる。あれほど見たかった流氷だから目の当たりにすると何か感慨のようなものがあるのかと思っていたのだが、わりとそうでもなかったりする。
観光船の岸壁の鳥たち。図鑑で調べると北海道ならではというわけではなさそうだが、日頃見かけないものたちではある。
ホオジロガモ、ヨシガモ,シノリガモ、白鳥。
シノリガモは柄が迷彩風で面白く、もう少し見たかったがさっさと飛んでいってしまった。
下船してバスターミナルまでタクシーで移動。600mmを運ばなくてはならないから大した距離ではないのだがしかたない。路線バスに1時間ほど乗って知床斜里に出る。昼食をすませて、お願いしていたネイチャーガイドさんに拾い上げてもらって、車でワシを探しつつウトロに向かう。
最初のスポットで流氷の上の2頭のキタキツネを見つける。このあたりでようやく遠くに来たなぁと実感が湧いてきた。右は流氷の上のオオワシ。
流氷が割れて川状の水面が見える周辺に、氷にまきこまれた魚が打ち上げられていて、これらを猛禽やカモメが探しているのだそうだ。
ガイドさんが流氷の接岸状態を眺めながら、ワシの居そうな場所で車を止めてくれるから、当たり前のように視野のどこかにはオオワシかオジロワシが居る。ガイドさんは写真を撮りに来た私を気遣って、より近くに飛来しそうな場所を探してくれていたから、右のようにかなり近いオオワシを撮ることができた。
結局EF600/4Lは、何度か三脚の上に置いたものの、良いショットを残したのはEF400/5.6Lだった。車中ひざの上にずっと置いていたEF400の機動性が大きく貢献。
右はオジロワシだが、かなり近いところを飛んでくれた。
私には似合わない大名旅行なのだが、知らない場所で目当ての鳥に遭遇する可能性は低かろうし、このためにかかった飛行機代や宿泊費を考えれば適切な判断だったと思う。
旋回するワシを撮っていると、どうしても空が背景の単調な絵が量産してしまう。右は林を背景にした貴重な1枚。少し後ろがうるさい絵だが、こういう写真のほうが撮った時の高揚感がよみがえる。
鳥ばかりではとガイドさんが気を遣って、途中にあるオシンコシンの滝で車をとめてくださった。滝までの短いスロープでベニヒワが居たものだから、やっぱり鳥撮りになってしまった。
移動の国道沿いでは、ところどころでエゾジカを見かけて、これもまた楽しい。
ガイドツアーの最後は、小高くなった場所から夕景を眺めることになった。雲が厚くて夕日を見る事は叶わなかったが、寥々たる北辺の光景には胸を打つ何かがある。
【2/21記す】
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