仕事帰りの電車で吊り革にぶら下がっていたら、目の前の網棚に菓子折りがあった。包装に「全国油菓工業協同組合」の文字。ほぉ、油菓とは揚げせんべいのようなものかと考えながら包装紙をさらに良く観察すると、「かりんとう」とある。黒光りするかりんとうは油菓と呼ぶにふさわしいものだと納得。
帰宅後に「全国油菓工業協同組合」を検索すると、「かりんとう」の製法特許を管理していた団体であることがわかったのだが、検索の過程で食品関係団体の多彩に驚かされる。当該業界門外漢の私には野次馬的関心をそそられる団体名も少なくない。
たとえば、「日本缶詰協会」の存在は当然の印象があるが、「日本パインアップル缶詰協会」という協会もあるらしい。だが「日本黄桃缶詰協会」も「日本サバの水煮缶詰協会」も無い。なぜパインアップルだけが独立の協会を設ける必要があったのか、私には想像すらつかない。
「日本スープ協会」と 「日本即席スープ協会」の両者は、上下もしくは包含の関係を窺わせる。同様なものに「全国製麺協同組合連合会」と「全国乾麺協同組合連合会」がある。これはわずか1文字の違いなのだが、その意味する範囲の大きさにはかなりの隔たりがある。ちなみに「日本パスタ協会」というのもあったりする。
こうした団体の多くは、その業界では略称で呼ばれるのが一般的なはずだから、「日本昆布協会」は「にっこんきょー」などと呼ばれているにちがいない。「日本チューインガム協会 」というのもあるが、これは「にっちゅーきょー」だろう。「全国すり身協会」(あるんだよ..)は「ぜんすりきょー」だろうか。「日本鰹節協会」はちょっとひねって「にっけんきょー」かな。