2011年7月11日月曜日

リフェウス山脈


ワークバランスがどうとかで、勤め先は早く帰らせようとするから定時に会社を出る。明るいうちに帰れるのはちょっと嬉しい。売り場改装が終わった丸善とユザワヤをチェックしつつ、ほぼまっすく家に帰る。夕飯を済ませてバルコニーに出ると半月を少し過ぎた月が煌々と輝いていた。バルコニー用の小さな望遠鏡を出して月を眺めながら数枚撮影。EOSKissX2+焦点距離1350mmの直焦点。
嵐の大洋のあたりに引っかき傷のようなものが見える。調べたらリフェウス山脈(Riphaeus Mountains)という名前が付いている。命名の由来が知りたくなってRiphaeusで検索すると、マダガスカルにUrania Riphaeusという名の蛾がいて標本が売買されていた。同じくマダガスカルにはClementi Riphaeusという甲虫も居ることがわかった。月の山脈名には地球にある山脈と同じ名前をつける慣例がある(アルプス山脈とかカルパティア山脈とか)から、マダガスカルにある山脈なのかと考えて地図を眺めたが見あたらない。
そこでラテン語や英語読みの違い等で少しスペルが違うのかと考えてRipheusを検索してみる。Ripheusでひくとダンテの神曲天国編に登場するトロイの王子の名前であることがわかった。しかしRipheus = Riphaeus の確証は得られない。紆余曲折の末、日本語版Wikiで「月の山脈」をひいたらギリシア語でウラル山脈の事とあるのを見つける。調べ物の途中で、1960年の月の地名総見直し以前は、リフェウス山脈の一部をウラル山脈と呼んでいた事がわかっていたから、これで正解なのだと思う。しかしなんでウラルがギリシア語だとリフェウスになってしまうのかはわからない。太古にギリシア人がウラル山脈まで遠征して、ここはリフェウスと呼ぶんだと決めたのだろうか。直線で3500kmくらい離れているのだが。
やはり調べている途中で、リフェウス山脈が隣接する嵐の大洋の一部には、既知の海(Mare Cognitum)英名Sea That Has Become Knownという名前が付けられていることがわかった。既知の海って面白いなぁ。知っていることがたくさん浮かんでいる海では無いだろうなぁ。そこはわかっているよの海なのかなぁ。誰が何を考えてこんな名前を付けたのだろうね。
早く家に帰れると楽しい。

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