2009年10月31日土曜日

ループアンテナの製作(第一部木工編)

勤務先の友人から頼まれていたアンテナを作る。NHK第二放送の英会話を録音して勉強されているのだが、引っ越したマンションではうまく受信できないのだそうだ。アルミサッシとラジオのアンテナ端子を繋ぐ等は試してもらったのだが芳しくないとの事。話の行きがかりからアンテナの製作を引き受けてしまった。



導線を何回か巻いて大きなコイルを作って電波を受信し、この導線の両端を可変コンデンサに接続すると、可変コンデンサの調整で目的の周波数を拾い出す同調回路になる。こうしたアンテナをループアンテナと呼ぶのだが、自作する人も少なくないようで、ネットの製作記事が参考になった。
今日は家にある材料で、上写真のような1辺43cm正方形のアンテナフレームを作った。コイルは大きいほど性能が良いのだろうが、通勤時間帯に電車で会社まで運ばなくてはならないのだから、そこそこでガマンするのが良識ある市民だと考えて自重した。友人が秋葉原に行くついでに、0.29mm径ポリウレタン銅線20mと300pFの可変コンデンサ買ってきてくれた。 巻き数を計算するフリーソフトがあって、これで何回かシミュレーションすると11回巻き(約19m)で630KHzから受信できることがわかる。NHK第二は693KHzだからこれで上手く行くだろう。
私は工科の専門教育を受けているが建築である。建築を選ぶ人間は、基本的に目に見えないものは理解できないと私は思う。大きな力が加わってドコンと壊れるありさまを力学として理解することはなんとかできても、電子や電磁波の流れは視覚で捉えられないから、根本的な納得に至っていないという自覚を私は引きずっている。
とりあえず今日の作業は電装ではなく木工だからうまく行った。明日コイルを巻こう。

2009年10月17日土曜日

遍在

寝坊して朝のびーさんが遅くなる。水路でカワセミを見たのはもっと早い時間だったから今日はたぶんダメ。そんなことを考えながら歩いていると、水路に大きなエイが泳いでいた。左上の小さなエイ型の物体は、子供のエイではなくてイチョウの葉っぱ。


午後に隣町の人工海浜に出かける。ここの公園にカワセミが居るとブログにあった。コンクリートで作られた大きな池と小川があるのだが、あまりにも人工的だし魚も居ないようだから砂浜に出ることにした。
たぶんハマシギ。波打ち際をちょこまかと動く。一斉に飛び立っては少し離れた場所に移動する。帰って調べたら、一糸乱れぬ団体行動で知られる鳥だそうだ。


ハマシギを見ることができたし、少し暗くなってきたから帰ることにする。砂浜から原付をとめてある駐輪場までの途中にさっきの池があるので、覗いてみたらカワセミが居た。居るんだねぇこんなところにも。カワセミはあまねく水辺に存す...わけは無いけど、それほど珍しい鳥でもないのかな。

2009年10月12日月曜日

トレジャーハンター(不発)

もう一度カワセミが見たくて、日中の所用の合間に水路を偵察。さすがに宝石だけあって簡単には見つからないことになっているようだ。そんなこんなで夕方のびーさん。400mmの望遠を携えるものの、このレンズの暗さでは夕刻はつらい。びーすけとちんたら歩いていたら、どんどん日差しが弱まって行く。鶴亀ではなくて鷺カメなんだが、カメなど眼中に無く通り過ぎる鷺を、カメが仰ぎ見ている。コゲラが居た。声が独特なのですぐわかるようになった。夕日を振り返るキツツキの図。


日が傾いてくる。写真としては不出来なのでフォトショップのフィルターで遊ぶことにする。水彩風のフィルターをかけてシギの図。クラッキング(ひび割れ)のフィルターを細かくかけると織物のような感じになる。これはオナガの群れ。

川の宝石

川の宝石の異名をとるものはいくつかあるようだが、カワセミもその一つ。今朝のびーさんでいつもの水路にゴイサギを見に行ったらカワセミを見つけた。昨日も夕方のびーさんで小さな小鳥が低く飛ぶ姿を見とめ、瑠璃色に見えたような気がしてちょっと期待していた。まだ陽光が弱く、薄く雲がかかっていたから感度を上げたので画像が少し荒れた。もっとふんだんに陽の光があれば輝いて写っているはずだが、ファーストショットだからこれで十分としよう。町内の子供たちを集めて遊んでくれている近所の方が通りかかって、カワセミですねと話しかけられた。この水路には2羽居るのだそうだ。


赤い足のセイタカシギも初めて見た鳥。カワセミと遭遇しなければこいつがトップ記事だったのにね。これは幼鳥らしい。モダンでなかなかかわいらしい。


早起きはするものだ...

2009年10月11日日曜日

ゴイサギは2羽いたんだ

この水路に居るゴイサギは1羽だと思い込んでいたのだが、実は2羽いたのだった。その1羽が活発に動いて、手すりに留まったかと思うと水路の反対側の手すりへと飛び移る。とても近くに留まったから良い写真が撮れた。この2枚はトリミングしていない。
そもそも五位鷺(ごいさぎ)の名前の由来は平家物語巻の五「朝敵揃」にあって、醍醐天皇の命であると部下が言うと平伏して易々と捕まり、殊勝であると五位を賜ったことによる。昔から人を恐れないか、ニブイやつだったのではないだろうか。ちなみにこの時から「鷺の王」The king of Ardeidaeになったらしい。
この「朝敵揃」は、私のようなサラリーマン(昔なら宮仕え)にはとても面白いエピソード。捕まえて来いと命じられた六位の蔵人は、どうしたものかと考えながらも良い知恵が無いから「宣旨である」、つまり「ご命令だよ」と鳥に言いつけるという、まさにお役所仕事。しかしこれで捕まえられてしまって、あげく自分より高い五位がこのニブい鳥に与えられるのだ。権力者に翻弄されて覇気を失った蔵人の顔が目に浮かんでしまうよね。


よく見るとこの個体の目は黄色くて、3日に撮った個体のように赤い目をしていないことに気がつく。この水路に居る2羽のゴイサギは、ともにホシゴイと呼ばれる若鳥で、茶色に白い斑点がある。3年ほどかけて成鳥になるとゴイサギはまったく違う青い姿になる。そのとき目が赤くなるそうだ。上の写真は逆光ぎみの暗い画像なので色が青っぽいが、下の写真と同じ個体。下の写真の色が正しい。4日の写真にあるもう片方の個体はもうすぐ成鳥になるのかもしれない。


ズームを手早く操作することに慣れていないから、飛び立つ瞬間に拡大率を下げられずにフレームからあふれた。中途半端に切れるくらいならトリミングしたほうが絵になると考えて切り抜いた一枚。びーすけが大きなあくびをする手前の瞬間。彼はすっかりたいくつしてしまったよ。


日が落ちるのが早くなった。すっかり暮れてびーすけと庭のベンチに座っていたら、頭上の夏の大三角形を渡り鳥の群れが横切って行った。きれいなV字型の密集隊形が星と雲の間を通り過ぎてゆく様は幻想的ですらある。海岸の方角に進む隊列を見送ると、V字の隊列はまるで1羽の巨大な鳥のようだ。

2009年10月10日土曜日

交野山にて

仕事で大阪の交野市(かたのし)に出向いたので、所用が終わってから交野山(こうのさん)に登る。秋になると山頂からタカの渡りを楽しめるのだそうだ。市街地から歩いて山のふもとにたどり着いた時点で、すでに足にはかなり乳酸がたまっている。登るべき遊歩道を間違えてふもとまでもう一度降りるはめになったこともあって結局山頂にはたどり着けなかった。初めての土地だからしかたがない。中腹に貯水池があり、展望もそこそこあったので、ここでがまんすることにした。
高い高度を滑空と羽ばたきを繰り返して飛んでいく飛翔体があったのでシャッターを押す。タカだと思いたいがカラスかもしれない。高解像度を拡大してみるとカラスらしくは無いのだが...コゲラを一羽観とめる。エナガの声を聞く。


この日の収穫と言えるのがヤマガラだった。ヤマガラはシジュウカラと同じカラ類の小鳥。名前のとおりなのか、拙宅の周囲の市街地では今まで見たことが無い。ヤマと名のつくところに来たかいもあったというものだ。


クチバシで木の実をもぎ取って木の枝に叩きつける所作を繰り返す。なかなかかわいい。オレンジ色の胴が美しく、モヒカンのような頭部の黒帯が面白い。


すっかり疲れてしまったよ。

2009年10月8日木曜日

台風18号

前夜の天気予報でさんざん脅かされたから、風はあるものの小雨も無い晴天に拍子抜けしてしまう。少しだけ遠回りして水路をのぞくと、小さな波はあるが満潮の水面は思ったより静かだ。ゴイサギは強風を避けて小さくなっていた。
いつもどおりに電車に乗ると、2つほど駅を進めたところでもう動かないというアナウンス。台風の中心が通過するには未だ時間があるから、乗っていても数時間は改善されないことは明白だ。動いているという私鉄の駅まで歩いて行くと、長蛇の列の先端は改札制限で止められている。良く知った駅だから反対側の小さな改札に廻ってみるとこちらは空いていたから難なくホームまではたどり着いた。しかし来る列車はどれも人がぎっしり詰め込まれてるから乗ることが出来ない。人気の少ない下りホームに移って、椅子に座ってしばらくは登りホームを観察することにした。乗れそうな列車が来たので急いでこれに乗る。JRも営団地下鉄も、途中の一級河川を渡る橋が強風で越えられないために全面運休しているのだが、この私鉄は風の弱まる時を見計らって動かしているらしい。勇気があるというのかなんと言うのか..当該の橋の直前で私の列車も停車し、しばらくしておもむろに橋を渡った。眼下には家の近くの水路とはまったく異なる泥水の奔流があった。カランと晴れた周囲の明るい光景との違和感が印象的。結局、東京に出るのに3時間かかり、精神的にも肉体的にもひどく疲労したが、今日は私が召集した社外の会議が午前中に予定されていたので直接そちらに出向くことにした。15分ほどの遅刻で到着。事務局が延期にしたのではという期待も半分だったのだが、私以外の一人を除いて皆さん来ておられた。ごくろうさまです。


台風が汚れた大気を持ち去ってくれたからだろうか、夕方にはきれいな富士山が見えた。帰りの電車がえらく空いていたのは、仕事や学校を休んだ人が多かったからだろう。繁華街のビルの間から月が何事もなかったかのように顔をのぞかせていた。

2009年10月4日日曜日

Part2:干潟で練習

昼食後にびーすけをシャンプーして犬小屋を分解清掃する。それからカメラを持って干潟に出かけた。バイクで10分以内だから大した距離ではない。途中びーさんコースの水路を通るのでゴイサギポイントをチェック。今日は寝ていない。干潟に着いたら天体望遠鏡で鳥を撮っている方がいる。口径15cm鏡筒長さ1.5mくらいの巨大なものを水平に使っておられた。すごいなぁ。400mmで重たいとかデカイとか言っていてはいかん。
べつに珍しいのが居たわけでも無いのだけど、水路と違って開けた光景の中だと鳥も美しく見える。薄く水の張った干潟の広大な水面には藻か海草の緑が複雑なパターンを作り、そこにポツンポツンと水鳥が佇んでいる。


露出さえ気にしておけばだいたいまともに写るのだよ。楽チンだなぁ...乱視でマニュアルフォーカスと闘ってきた私はしみじみ思うのでした。


干潟から戻って夕方のびーさん。今日は小高い丘の上の畑に出かける。スズメじゃないと思ってカメラを向けたら君は誰? 冠羽が立っていないヒバリなのかなぁ。よくわからん。
農道で写真を撮っていたら、農作業を終わって引き上げる年配のご婦人に、「何を撮っているの?」と問いかけられた。あの花だと指差したら「夕日を背景にコスモスだね」と即座に意図を見抜かれる。続けて「何ミリ」と尋ねられたので400と答えたら、こんなに近くても撮れるんだと鋭いご指摘。15cmの望遠鏡ほどではないが、大きなレンズは同好の士も引き寄せる。

Part1:カモメとツクツクホウシ

朝のびーさんに行く。当分の間、天気が良いのは今日限りらしいから写真を撮らなきゃいかん。水路沿いを歩いていると目の前の3~4mくらいにカモメがとまった。カモメの上半身が視野いっぱい。左はトリミングしていない。露出はカモメの白い体に合って背景は真っ黒になる。怖い目だなぁ..ってみんな言ってるよ。(「カモメ&人相が悪い」で検索すると結構同じ意見の人が居た)
この水門はアオサギの定位置になっているのだけど、風化したコンクリートが悪くない。


大きな公園に入るとツクツクホウシの声が聞こえる。えっ..まだ居たのかと探すと頭上の樹に見つかる。出遅れたなぁ君。
早足で歩くセキレイを追いながらシャッターを切ると、玉石が流れてセキレイは止まって写る。便利な道具だ。

2009年10月3日土曜日

中秋の名月

中秋の名月なのだ。雲が多いものの、途切れた瞬間に鮮やかな満月が顔をのぞかせる。コントラストの高いくっきりとした姿は、この季節の月を名月と呼ぶ理由を納得させる。お団子が無いのが残念。
さっそく昨日getの望遠レンズで撮ってみよう。
左が焦点距離400mmの望遠レンズ、右が1356mmの天体望遠鏡の直焦点撮影。両方ともノートリミング。望遠鏡は天体を観察するための道具だから比較に意味は無いが、400ではやっぱりちょっと小さい。
天体望遠鏡の画像はわずかに下側が切れてしまっている。この望遠鏡で撮ると、ちょうど月の大きさが視野いっぱいになるからピッタリ納めるのがなかなか難しい。8月5日に撮った満月は全く同じ条件で撮っているのだが上下に少しすきまがあって余裕がある。地球を中心とする月の公転軌道が正円ではないために月までの距離が微妙に変化し、みかけの大きさが変化するためだと思う。

新しい得物

400mmの望遠ズームレンズをget! sigma APO 120-400 このクラスとしては破格に廉価なのだがネットの評判が良かった。店頭で構えてみて、あまりの重さに購入がくじけそうな気分にちょっとなった。左がこれまで使っていた180mmニコンレンズとの比較。180mmの重量が880gだったから焦点距離は2倍強だが、重さもだいたい倍になる。パワーウェイトレシオは同じなわけだ。毎日腕立て伏せでもすれば使いこなせるようになるだろう。


朝のびーさんにさっそく携える。オートフォーカスも十分に高速で手ぶれ補正も効いている印象。だが長くは構えられない。手持ちで振り回せる限界という感じ。腕立て伏せは嫌いなんだが...
1.5mまで寄れるからツマグロヒョウモンも撮れる。遠いシジュウカラは羽毛の分解が今ひとつだが、使いこなせば解決できるかも。


F8くらいまで絞った方が良好な結果が得られるのだそうだ。4段分の手ぶれ補正があると言ってもそこそこのシャッター速度は必要なはずだから、とりあえず1/125くらいにして、ISOをオートにする。
流し撮りのような形になったが飛び立つシギを追ってシャッターを切る。トリミングした画像だが、これだけ写れば満足。マニュアルフォーカスでは私には難しいショット。


カワウがたくさん居る中にサギが一羽。ゴイサギは見あたらない。水門の両側にミシシッピミドリガメが居た。玄武門? 残念ながら方角からすると逆。