2009年10月11日日曜日

ゴイサギは2羽いたんだ

この水路に居るゴイサギは1羽だと思い込んでいたのだが、実は2羽いたのだった。その1羽が活発に動いて、手すりに留まったかと思うと水路の反対側の手すりへと飛び移る。とても近くに留まったから良い写真が撮れた。この2枚はトリミングしていない。
そもそも五位鷺(ごいさぎ)の名前の由来は平家物語巻の五「朝敵揃」にあって、醍醐天皇の命であると部下が言うと平伏して易々と捕まり、殊勝であると五位を賜ったことによる。昔から人を恐れないか、ニブイやつだったのではないだろうか。ちなみにこの時から「鷺の王」The king of Ardeidaeになったらしい。
この「朝敵揃」は、私のようなサラリーマン(昔なら宮仕え)にはとても面白いエピソード。捕まえて来いと命じられた六位の蔵人は、どうしたものかと考えながらも良い知恵が無いから「宣旨である」、つまり「ご命令だよ」と鳥に言いつけるという、まさにお役所仕事。しかしこれで捕まえられてしまって、あげく自分より高い五位がこのニブい鳥に与えられるのだ。権力者に翻弄されて覇気を失った蔵人の顔が目に浮かんでしまうよね。


よく見るとこの個体の目は黄色くて、3日に撮った個体のように赤い目をしていないことに気がつく。この水路に居る2羽のゴイサギは、ともにホシゴイと呼ばれる若鳥で、茶色に白い斑点がある。3年ほどかけて成鳥になるとゴイサギはまったく違う青い姿になる。そのとき目が赤くなるそうだ。上の写真は逆光ぎみの暗い画像なので色が青っぽいが、下の写真と同じ個体。下の写真の色が正しい。4日の写真にあるもう片方の個体はもうすぐ成鳥になるのかもしれない。


ズームを手早く操作することに慣れていないから、飛び立つ瞬間に拡大率を下げられずにフレームからあふれた。中途半端に切れるくらいならトリミングしたほうが絵になると考えて切り抜いた一枚。びーすけが大きなあくびをする手前の瞬間。彼はすっかりたいくつしてしまったよ。


日が落ちるのが早くなった。すっかり暮れてびーすけと庭のベンチに座っていたら、頭上の夏の大三角形を渡り鳥の群れが横切って行った。きれいなV字型の密集隊形が星と雲の間を通り過ぎてゆく様は幻想的ですらある。海岸の方角に進む隊列を見送ると、V字の隊列はまるで1羽の巨大な鳥のようだ。

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