遠くのものを見るための望遠鏡を使って写真を撮る場合、いくつか方法がある。上図のDirect forcusと書いた方法は、直接焦点法(直焦法)と呼ばれるもので、望遠鏡の主鏡(屈折式の場合はメインとなるレンズ)の焦点距離が、そのまま望遠レンズとしての焦点距離になる。主鏡の口径(D)で焦点距離(f)を除した値がF値になる。所有している2本の望遠鏡は、
- BORG100ED D=100 f=640 F=6.4
- ZenithStar66SD D=66 f=388 F=5.88
Extendedと書いた方法(エクスパンデドとすべきだったかも)は、拡大撮影法と呼ばれる方法で、接眼レンズ(アイピース)を主鏡とカメラの間に置く。アイピースとカメラの間の距離を大きくすると拡大率も大きくなるので、実際の焦点距離を把握するのは少々面倒。
Collimateと書いた方法は、コリメート法と呼ばれる方法で、流行のデジスコはこの方法。主鏡の焦点距離(f)を接眼レンズの焦点距離(f')で除した値が拡大倍率になり、これにカメラレンズの焦点距離を乗じた値が焦点距離になる。66SDに焦点距離f'=25mmの接眼レンズを組み合わせると、388/25=15.52倍の望遠鏡になり、焦点距離60mmのカメラレンズを後ろに置くと、15.52x60=931.2mmの焦点距離になる。
上図はレデューサーレンズを全てのパターンに描いているが、これは必要に応じて使うもの。使っているフォトショップがバージョンが古すぎて日本語が使えないので面倒だ。
先週末からやっていたVari8000Sの主鏡をレデューサーレンズとして使って、1.7倍のオートフォーカスアダプタと組み合わせる方法は、私の計算が誤っていて実質400mm相当にしかなっていなかった事がわかった。左の400は望遠レンズEF400をそのまま使ったものだが、これとほぼ同じだもの。狙いの半分しかなかったわけで、これはタンジェント計算のポカミス。
ペンタックスのオートフォーカスアダプタは画質を損なうという話も聞くし、今日の比較ではあまり良い結果が出ていない。
66SDで拡大撮影法もやってみた。左の640は、以前にレデューサーを使わない直焦点で撮ったものだが、これとほぼ同じだから焦点距離は概ね640mmくらいになっていたらしい。
66SDにビクセンのLV25接眼レンズを組み合わせて、キャノンのEF60Sマクロレンズを使ったのが930だが、今日の成果はこの方法が一番よさそうだとわかったことか。右の896は、キャノンの純正エクステンダーを使った直焦点。これも良い方法なのだがマニュアルフォーカスになってしまうのが難。
等倍切り出しをしたのが左の画像。どれも大差ないじゃないと言えばそういうものなんだが、今日試した組み合わせでは、66SDのコリメート法が100ED+AFアダプタより良い結果。
全天の明るさがころころ変わるし、基本的に合焦は、望遠鏡側をだいたい合わせてから、拡大撮影法を除いてカメラ側にまかせている。
接眼レンズは前から使っていたビクセンのLV25と、最近購入したエクストラフラット27というものを比較したが、今回はLV25のほうが良い結果を残した。フラットの名前に惹かれたのだが、ノーブランドはやっぱだめかも。
コリメートは機材の全長が長くなるのが嬉しくない。拡大撮影法は実焦点距離を稼ぎつつ望遠鏡を短焦点にできるかもしれない。本来主鏡と撮像面の間に在るレンズが少ない方が良い結果を出すはずなのだから直焦点が優れているはず。しかしよせあつめの試行錯誤だから何が悪さをしているのかよくわからない。あぁ試さなくてはならないことはまだまだあるね。今日も総括にはならないということで..
下は拡大撮影法による近側のテスト。露出不足なのだが雰囲気は良いかな。