画面の隅で星像が放射状に流れるのはなぜかを調べてみると、やはり使用レンズの特性のようなものらしい。TOKINA AT-X 11-20 F2.8 PRO DX は、広角レンズの歪曲収差を目立たなくさせることを優先した設計であるために、非点収差が犠牲になっているというコメントが見つかった。歪曲収差があると画像は樽型か糸巻き型に変形してしまうのだが、これは良く抑えられているわけで、つまり建築物のように柱や梁をまっすぐに見えるように撮影したい場合は価値のある特性である。しかし星景を撮りたい場合は、この収差が残っていてもあまり気にならないはずだ。非点収差があると画像の周辺の星像が放射状に流れるが、建築物撮影では、この欠点はあまり気にならないだろう。
整理すると、このレンズの特性は建築物撮影向きで星景撮影向きでは無いということになる。絞ると改善されるというコメントもあった。そこで絞り値を変えて、その他はほぼ同じ条件にそろえた比較を行ったのが上下の写真。
たしかに絞った方が星像の流れは小さい。F2.8(開放)はコマ収差も認められるがF4には無いこともわかる。したがって、F4~5.6に絞って露出時間を延ばすという撮影方針もあるのだが、露出時間を延ばすとなると簡易赤道儀ポラリエの追跡精度が重要になる。広角のお気楽撮影というわけには行かなくなってしまう。
F2.8という明るい広角レンズを選ぼうとすると選択肢は少ない。しばし沈思黙考するが、拡大するとわかる違いではあるものの、この程度であれば気にしなければいいと結論。
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